アメリカ買い付け日記・最終回


いよいよ帰国となった前夜、飛行場までのタクシーをフロントでお願いすることにしました。
つたない英語でフロントのお姉さんに「明日の朝、8時半にタクシーを2台お願いします♪」と私が。
「私達、それぞれに大きな荷物があるので大きなサイズのタクシーを2台お願いします♪」と付加えたのでした。
そしてフロントのお姉さんが「リムジンなら一台で行けるけどどお?140ドルよ?」っと。
基本料金140ドル(15000円)なんてとんでもない!
「NO!NO!ビックサイズのタクシー2台で結構よ!」っと2台のタクシーをお願いして部屋に戻ったのでした。
部屋へ戻って間もなくフロントから再度、確認の電話が・・・・。
またつたない英語の私が応対し8時半の時間の確認と何やら1台にしたらどうだのその方が安いだの
っと言っている様子。安いなら1台でいいか・・・・と簡単に聞き流して「OK♪」と言って電話を切ったのでした。

次の朝、1時間も早く準備を済ませたのでロビーに降りてMさんとホテルの周りを散歩する事にしたのです。
入り口を出ると映画でしか見た事ないような運転手付きの白い大きなリムジンが
ホテルの玄関の前の道に停まっていました。



それを見た私は「ま〜!こんな(普通のクラスの)ホテルでリムジンなんて乗るような人が泊まっているんだ〜!」と
スモークの貼られたガラスをどんな人が乗り込んでいるのか興味深々覗いてみたのでした。
勿論、中は見えるはずも無く運転手さんの冷たい視線を受けて散歩へと出掛けたのです。
ホテルを出て2人で話しながらコンビニに立ち寄ってブラブラとお土産を買ってふと時計を見たら
集合時間の20分前!大変、チェックアウトもしなければいけないし、
荷物をタクシーに積まなければ!っと大急ぎでホテルに戻ったのでした。
お喋りしながらホテルからかなりの距離を歩いてしまい、必死で走ったのです。
この所、こんなに走った事が無いっというぐらい汗ダクになって走る走る!
ようやくホテルに戻ると先ほどいたリムジンが、まだホテルの前に停まっているではないですか!
そして私達の頼んだはずのタクシーがまだ来ていない!
そしてリムジンの運転手は、トランクを開けて何やら荷物を入れる準備をしているのです。
私の脳裏に「もしかしてこのリムジンは、私が頼んだタクシーかも?!」っと
汗だくだった額からは一転、冷や汗がタラ〜リ!!っと流れてきたのでした。
そして運転手が私達に歩み寄って来て「ルームナンバー802ですか?」っと訊ねてきたのです。
「やっぱりこのリムジンはわてらのだったのか〜!!」っと恐ろしくなった私は、
「NO!NO!」っとシラを切ろうと思っていたのですが一緒にいたMさんが
「イエ〜ス♪」っとあっさり答えてしまったのです。
「ひょえ〜!何て事を言ってくれたの!」っと思ったもののもう後には引けません!
そして透かさず「But We don’t have a money!(私達、お金がありません♪)」と答える流石の彼女。
こうなったら仕方がない!っと私もつたない英語で
「私達、リムジンは頼んでいません!キャンセルしてもいいですか?」っと必死で話したのです。
そして運転手は一言「You are lucky♪」っと私達に。
冷や汗を流す私は何の事だか分かりません。
よく話を聞いてみるとミニバンで来る予定だったけれど、リムジンで来た!料金はそのままでいいとの事。
「何だ〜そっか〜♪♪」っと冷や汗から一転、安堵して力が抜けてしまいました(笑)。



トランクに入りきれない荷物。優雅なリムジンの助手席にはスーツケースを3つも積んでようやく完了!
無事、飛行場へと高級なリムジンで向かったのでした。
中はバーコーナーありテレビあり・・・・・。
映画のスターになったような気分でなかなか経験出来ないリムジンを満喫したのでした(笑)。

そしてニューヨークから乗り換え地デトロイトまで無事到着。
デトロイトから名古屋へ向かっていよいよ離陸するという滑走路で機内放送が・・・・。
「台風が接近している為、管制塔より台風が通過するまで待機するとの指令が出ました」っと。
「これで無事、名古屋に帰れる!」っとホッとしたのも束の間、もしかして機内で夜明かし?っと
またも不安がよぎったのでした。
心配していた台風は1時間ほどで通過、今度こそ無事名古屋へ向かって離陸したのでした。

あ〜やれやれ!今回も前回の珍道中ほどではなかったけれど色々ありました。
とても楽しく過ごし無事に帰国出来て何よりでした。
永らく珍道中にお伴下さいましてありがとうございました♪



(キングコングでお馴染みエンパイアー・ステート・ビル)



また、買い付けた材料を活かしていい作品作りに励みます♪